home page

sitemap

*

office

gallery

profile

article

fee

music room

fellow

favorite

*

*

link

blog

E-mail

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

バリアフリー編

段差がなければそれでよいのか

 

ここ10年くらいにおける日本の住宅造りの方針として、(1)耐震性の向上、(2)省エネルギー、そして(3)バリアフリーが唱道されてきたように思います。

 

建物や公共空間をバリアフリー化する目的は、いうまでもなく高齢者や身体障害者が生き生きした生活を送れるようにすることにあり、そのための一つの手段として、空間移動が自由に無理なく安全に行えることがあります。

そしてその具体的方策として、移動経路の段差の解消ということが、積極的に行われてきて、公共建築には必ずスロープやエレベーターが設けらるようになるなど、一定の成果を上げていると思います。

 

住宅においては、公共建築のようにバリアフリー化が義務付けられているわけではありませんが、住み手側からのバリアフリー化の要望は多くなっており、それを配慮して、室内の各室間に段差を設けないような設計にした家が多くなっています。

具体的に言いますと、洋室と和室の間に段差を設けない。(一昔前までは、和室は洋室よりも畳の厚さ分の約5センチほど、高くすることが普通でした。)脱衣室と浴室の間に段差を設けない。(浴室で使った湯や水が、脱衣室側に流れて来ないように、浴室を5〜10センチくらい低くするのが普通でした。)さらには、玄関から廊下へ上がるところの段差さえ設けない家も、時々見るようになりました。

 

そういった高齢者や身障者に対する(あるいは自分が高齢になった時への)気配りは、わるいことではありませんし、建売住宅やハウスメーカー住宅では、段差がないことを売りにしているものも見受けられます。

しかし私がそういった住宅を見ていつも思うのは、「なるほど細かいことにもこだわっているね。でも2階には行けないではないか。」ということなのです。

 

そう、日本の住宅は、そのほとんどが2階建ですから(3階建ても増えつつある)、各室間の段差をいくら無くしても、別の階への移動するには階段を上り降りしなければなりません。しかし5センチ10センチの段差が障害になる人が、20センチの段差が15段ほども連続する階段を登れるはずがありません。そうすると、その人は、その家の半分しか使えません。高齢者だから、あるいは身障者だから我慢しなければならないのでしょうか。

しかし、今、壮年の人も、いずれ高齢者になります。その時、自分の家であるにもかかわらず、半分しか使えないという、そんな家でいいのでしょうか。

 

また、設計上のことですが、住宅の間取りは、2階建の場合、たいてい1階をLDK空間などのパブリックゾーン、2階を個室群などのプライベートゾーンというように、ゾーン分けをするところから始まり、それが設計の基本となります。(2階にパブリックゾーンを持ってくることもありますが、そのばあいは1階がプライベートゾーンになります。)

ところが高齢者や身障者が違う階への移動ができないと、その個室はパブリックゾーンとと同一階にせざるをえず、ゾーン構成がシンプルさを欠くことになり、入り組んだ、いびつな設計になってしまいます。そうなると、家全体として使いにくく、生活していても、たいへん気詰まりを感じる家になってしまうのです。

 

そのように家全体の構成がいびつになったり、生活が気詰まりになったりすることを避けるには、そうすればいいでしょうか。

もうお気づきの方もおられると思いますが、ホームエレベーターを1台設ければよいのです。それによって、上記の難点は、完全に解消します。

(当たり前といえばその通りですが、これまでこのブログの他の項目でも述べてきたように、その当たり前のことがなされていないから、私は「ここがおかしい、日本の家」と言っているのです。)

 

 

ところが、知ってか知らずか、ホームエレベーターの設置を最初から全く念頭に置かず、無理なゾーン構成の間取りを、ああでもないこうでもないと考えた末に建ってしまった、おかしな間取りの家が、たいへん多いように思います。私には、そのことが不思議でなりません。

 

ホームエレベーターというと、スペースをかなり取ってしますのではないかとか、かなり高額なのではないかとかと懸念される方も多いのですが、スペースは、120センチ四方(面積的には1畳ちょっと)のスペースがあれば設置できますし金額的には設置費込で200万円くらいですので、それでよい間取りで使いやすい、住み心地の良い家が出来るのであれば、安いのではないかと思います。なお、定期点検のためなどの維持費は必要で、それが年間4万円くらいなのですが、もしエレベーターが今すぐ必要でなければ、将来設置できるような設計にしておいて、そのスペースはとりあえず収納スペースなどに使っておけばよいと思います。

 

なんかホームエレベーターの宣伝みたいになってしまいましたが、私はエレベーター会社の回し者でもなんでもないのですが、これからの高齢化社会を考えると、ホームエレベーターはたいへん有用な設備であると思いますので、新築時にはぜひ設置されるか、将来設置できるような設計にしておくことを、お勧めいたします。絶対後悔しないと思います。