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設計編

収納のこと

 

「断捨離」という本が、すごい評判でベストセラーになっているのですが、皆さん読まれましたか。

断=入ってくる要らない物を断つ

捨=家にずっとある要らない物を捨てる

離=物への執着から離れる。

これを実行すれば、家も人生もすっきりするという主旨です。

 

私は読みました。そして、ナルホド!と思いましたね。

私はオタク的な趣味が多いので、いろんな物品(安田倫子女史に言わせれば、ガラクタ)を所有しています。

クラシックカメラ数十台、HOゲージ鉄道模型数十両、同線路多数、天体望遠鏡数台、各種楽器の数々、音楽CD約500枚、それに何よりも本、本、本!

これらが私のプライベートスペースにあふれています。

私は、自宅以外に仕事場として小さなマンションを借りているのですが、2室のうちの1室は、結局それらのものの収納スペースとなり果てています。

 

そんな私が「断捨離」という本を読んで、大いに感銘を受け、これは実行しなければと思い、即日実行し、3日後に挫折しました。

だって、やっぱり自分には無理です。

欲しいいものはたくさんあるし、身近に置いておきたいし、それに人からみたらガラクタでも、自分にとっては、一つ一つに愛着とか想い出があります。

 

それで私は考え直しました。

「人間とは収集する動物である!」「人間の人間たる所以は、収集することにある!」と。

まあ、単なる開き直りのようでもありますが、そのように考えると、何となく楽だし、楽しいので、やっぱりそれを前提として、暮らしというものを考えたほうが良いのではないかと。

でありますから、住まいというものも、人間とは収集するものだ、ということを基本に据えて考えてもいいのではないかと思うわけです。

 

住まいの設計においては、リビングとか、ダイニングキッチンとか、あるいは主寝室とか、そういった部屋がメインのスペースで、収納とか物入というのは、隅っこの余ったスペースに申し訳程度にとるという感じの設計が多いように思います。いわば日蔭者扱いです。

しかし、人間の本性が収集にあるのなら、むしろ収納スペースというのをメインにするか、そこまでいかなくても、もっと日の目を見せてやろうと考えるわけです。

 

それにしても、そもそも「収納」という言葉自体が、収めて納めるという、とにかく見えない所に追いやっておこうというニュアンスがあるのが、おかしいのではないか。

収納スペースではなく、堂々と「収集スペース」とすべきではないかと考えるようになりました。

 

そして今まで設計した住宅を振り返ってみると、意外なことに、そういう収集スペースのある家というのが、けっこう多いのに気が付きました。

私は特に意識したわけではなくて、施主さんの要望に応じて設計したのですが、やはりそれを求めていた方々が多かったのですね。

 

例えば、主寝室の横に、主寝室と同じ広さのウォークイン・クロゼットを作った家があります。奥さんが、ファッションが好きで、たくさんの洋服を持っておられたのです。約8畳ありますので、クロゼットというよりれっきとした部屋です。

あるいは、ご主人の書斎の壁一面を収納棚ならぬ収集棚にしたり、玄関ホールの吹き抜けの壁を全面オープンな収集棚にした家もありました。

その他、音楽室や、屋上に天体観測ドームを作ったこともありますし、地下室や半地下、ロフトなどをプライベートスペースにするのは、よくするパターンです。

 

ひるがえって、今の建売住宅やハウスメーカー住宅は、○LDKなどという呼び方で家の部屋構成を表しますので、その○LDKに属さないものは、隅に追いやられて矮小化されてしまっています。

でも、そのような家、暮らしていても、すこしも面白くないと思いませんか。

もちろん予算というものもありますし、面積の制約もあるでしょうから、むやみに収集スペースを広くするわけにはいかないでしょう。

 

でも、そこは工夫です。

断捨離もいいけれど、お気に入りの品々に囲まれて暮らせる楽しい家を、いろいろ工夫しながら設計していく。やっぱりそれもいいのではないでしょうか。その方が、楽しいし、面白そうです。

 

 

書斎の壁の一面を収集スペースにした、わりと一般的な例。

 

これも壁の一面を、ずらり収集棚に。

 

収納スペース(扉の内部)の横や上部をオープンな収集スペースに。高い所にはハシゴで登ります。なお右側に写っている畳スペースは、寝転がって本を読む所。ブラインド状の布スクリーンで仕切ると、御簾の内にいるような感じ。

 

玄関ホールを広くとって、収集棚を配置。

 

これはロフトスペースですが、趣味スペースとして多目的に使えます。